ドーンセンターの機能存続と男女共同参画施策の推進を求める宣言
私たち「なにわの夜明け」シンポジウム参加者は、以下のことを確認した。
ドーンセンターは1975年の国際女性年をきっかけとして、大阪の女性たちの長年の運動の成果としてつくりあげられた。何年にもわたる行政と大阪府民女性たちによる女性政策推進委員会のなかで、男女平等社会をつくりあげるために、どのような政策が必要なのかを議論し、知恵を出し合い形にしていった。
ドーンセンターは、女性たちをエンパワーメントするための活動の場を実現し、グループ同士のネットワーク化を果たしてきた。
また、相談、情報、社会啓発の3つの事業は連関して、男女共同参画社会を実現するために機能してきた。相談事業を通じ、その時その時に女性が抱える問題を把握することが可能となり、その問題への解決のために必要な情報を、ライブラリーや小グループの活動紹介によって提供することができる。また、社会啓発事業としてより広く社会に知らしめることも可能となった。だからこそ、ドーンセンターの事業は全国的にも評価が高く、全国の男女共同参画社会施策についての指導的立場をも担ってきたのである。
このような効果的な運営が実現可能となったのは、各市民グループのネットワーク化を支え、相談・情報・社会啓発の3つの事業を連関させ進展させていく、コーディネーター役割を専門家集団である男女共同参画推進財団が担ってきたからであった。
ドーンセンターが設立されるまでの過程において、大阪府による直営か、財団を通じての運営かについてはすでに議論されてきた。そこでは、男女平等社会をつくるためには専門家集団による運営が不可欠であり、また大阪府による直営よりも経済的であるとして、専門家集団としての財団が必要とされ、財団を通じての運営となったいきさつがある。
また、NPOとの協働という運営形態においても、財団という専門家集団が、講座や協催事業を通じて府民が運営するNPOを育て、事業委託や指定管理制度を利用したより一層のNPOとの協働を実現してきたのである。多くのNPOとの協働を持続的に実現しようとするとき、財団によるNPOの育成は不可欠のものであった。
しかるに、4月11日に発表されたPT案を見る限り、このようなドーンセンターの持つ機能についての理解はまったくない。PT案によれば、
1)8月以降、ドーンセンターの相談事業を全廃する
2)8月以降、ドーンセンターの情報ライブラリーを府立図書館に吸収させる
3)8月以降、ドーンセンターで行っていた社会啓発事業を全廃する
4)2008年度末で男女共同参画推進財団を廃止する
ことになっている。
このPT案が実行されれば、ドーンセンターは貸館業務をするだけの単なる入れ物になってしまう。相談・情報・社会啓発の3つの機能を分散させ、あるいは廃止することにより、府民のニーズを正しく理解し、府民に対する行政サービスを提供し、もって男女共同参画の実現に寄与することが、著しく困難となることは確実である。このようなPT案は男女共同参画社会実現のための大阪府の責務を放棄する案としか言いようがなく、男女共同参画社会基本法の理念に反するものであり、とうてい認められるものではない。
現状において、「男女共同参画社会の実現」の必要性はますます高まってきている。一部の女性が、政策決定や企業活動の中枢に位置する様になった一方、雇用労働に従事する女性の半分以上が不安定雇用化しており、あるいは、シングルマザーが増加し、女性の貧困化はすすんでいる。労働環境の激変、子育て環境の悪化など男女を取り巻く様々な課題が山積みの中で、自らの抱える問題に気づき、解決する力をつけることはより重要性を増している。
私たち「なにわの夜明け」シンポジウム参加者一同は、経済的・効率的で柔軟性のある運営を展開する男女共同参画推進財団のもと、ドーンセンターがもつ相談・情報・社会啓発の3つの機能を存続し、大阪府による男女共同参画施策の推進を強く求めるものである。
2008年4月18日
なにわの夜明け ドーンセンターと私たち」シンポジウム参加者一同